「”縁”ということ」
   

”縁”ということ

                                浜通地区 根本 三夫


 先日の福島県支部平成30年度第18回総会に参加された会員、及び開催に努力された役員

の方々に感謝します。

 翌日、遠路お出で頂いた顧問の中野完二先生を市内の数箇所ご案内いたしました。その中で、

久ノ浜の「波立寺」をご案内したときのことです。西行の歌碑をご覧頂いた後に、近くにある

からついでにと立ち寄った波立寺に、江戸時代末期から明治・大正まで生きて、地方の行政と

教育に貢献した「大須賀筠軒先生」の詩碑、それに万葉集からの歌碑一基があることをお伝え

したところ、それではそれも見て行こうということになり、寺に入ったところで庭を掃除され

ていたらしい若住職にそれらの所在を尋ねたところ、快く案内と説明を頂き感謝した。

 そのうえ庫裏まで案内され、お茶を頂くことになり当方の身分を明かし、老住職を交え震災

のときのお寺や周辺の状況などお聞きしたときに、「実はその年の8月16日に河野太通老師

がここにお見舞いに来られたのですよ」と当時の写真を見せて頂いた。 我々も楊名時師家の

もとで太極拳の師範位の持ち主であることを話し、若い住職も河野老師のことは存じておりま

すと話され期せずして共通の話題でしばし楽しんだ次第。考えれば河野老師は臨済宗妙心寺派

の管長であられた方。波立寺も同派であれば当然のことと納得して礼をして寺を辞した。

 それにしても、”このような所でこのように出会い、河野老師と太極拳のお話が聞けるとは、

何かの縁で結ばれているとしかおもえないね”と帰りの車の中でひとしきり関心しながらの帰

途であった。

 これからもいろいろな所で沢山の人との出会いがあることだが、その一つ一つの縁を大切に

生きて行きたいと思った出来事であった。

                                  (2018・6・3 記)